「しゃべってはいけない」と思っていた私へ
私は長い間、「しゃべってはいけない」と思い込んで生きてきました。
幼少期、そして結婚してからも、自分の思ったことを口にすると否定されることが続き、
次第に話すことを諦めるようになりました。
それが当たり前になり、我慢していることにすら気づかず過ごしてきたのです。
しかし、50代後半になって初めて「自分の気持ちを話せないことが、
どれほど自分を縛っていたのか」に気づきました。
その重さに驚くと同時に、長年気づけなかった自分へのふがいなさや挫折感に襲われ、
がっかりすることもありました。
そこから時間をかけて、「私は何者なのか」を考え、自分と向き合う時間を作りました。
長年の思い込みがあまりにも分厚く、それを一つずつ剥がしていく作業はとても時間がかかりました。
そして、最近ある出来事をきっかけに、私は再び「しゃべってはいけない」という心のブロックと対峙することになったのです。
このブロックを外すことは、これまでで一番辛く、苦しい体験でした。
それは、心の奥深くに隠れていたものだからこそ、向き合うことさえ苦痛だったのです。
けれど、その苦しさの先にある「自由」を信じて、私は少しずつ向き合い続けました。
そして今、ようやく思えるようになりました。
「しゃべっても大丈夫」 この言葉を、今は自分の中にしっかりと定着させています。
長い年月をかけて固まってしまった思い込みは、すぐには消えないかもしれません。
でも、私はもう知っています。
私の言葉には意味があり、私が話してもいいのだと。
これからは、自分の気持ちを大切にしながら、少しずつ前に進んでいきたいと思います。