さてそもそも、私たちはどうして自己受容できないのでしょうか?
アメリカの臨床心理学者ロジャースは、「人は誰もが『理想とする自己』と『現実の自己』を一致させようとする『自己実現傾向』を持つ」と言いました。
どんな人にも「理想の自分」があり、「現実の自分」を「理想の自分」に近づけようとして生きている、ということです。
そして、「理想の自己」と「現実の自己」の一致する領域の大きい人ほど現実社会に適応でき、一致する領域の小さい人ほど問題を抱えがちになってしまうのです。
【理想と現実が一致する領域が小さい】
自己受容を行い、自己肯定感を高めた方が、生きやすくなる。
↑【理想と現実が一致する領域が大きい】
自己受容ができており、自己肯定感も高く、生きやすい。
「理想の自己」と「現実の自己」は、完全に一致させることはできません。しかし、努力などによって一致する部分を広くしたり、理想に近づいたりすることはできます。
「会社で理想の評価を受けるため、業績をアップしようと努力する」といった行為です。
しかし、業績のアップは、必ずできるとは限りません。
業績をアップできなかったとき、「理想の自己」と一致する部分が少ない「現実の自己」を受け入れられず、「自己受容」ができない状態が起こるのです。